2006年10月24日

オスカー・ピーターソン・プラス・ワン

子どもの友だちたちからは「おじさん」と呼ばれるe-uedaだが、確かにおじさんである。二児の父を誰もお兄さんとは呼べまい。とは言ってもこれは敬称であり、消極的なニュアンスは特にない。

しかし、「オヤジ」や「オッサン」と呼ばれたら(思われたら)どうだろう。なにかネガティブイメージが漂うが、e-uedaにしたら、これはある意味、名誉なことである。今日は確実にオッサンJAZZともいえる、オスカー・ピーターソン・プラス・ワンを紹介しよう。

oscar_troi_plus_one.jpgこのアルバムに手を出したのは、トランペットのワンホーンものが聴きたいというだけの理由だった。なにしろオスカーのトリオをバックにしたトランペットのワンホーンなんて、贅沢なことこの上ない。

しかし、期待して聞き始めると、うわぁ、何じゃこりゃ!一曲目からハーマン・ミュートをワウワウいわせて、クラーク・テリーがこれでもかといわんばかりに「スウィング」している!オスカーも「ナイト・トレイン」の比じゃないほど、容赦なくアーシーなブルースを弾きまくっている!

5曲目「Mumbles」や10曲目「Incoherent Blues」はテリーのボーカルが入っているのだが、このスキャットというか唸り声が、脂ギトギトである。娘がいたら確実に「お父さん、恥ずかしいから止めてよ!」と制止されるだろう。さすがにe-uedaもこれだけは飛ばす。

でも、ただのオッサンじゃ終わらないのがこの4人衆。2曲目「Jim」なんか、明るさの中の切なさみたいな、人生を生き抜いてきた大人だけがかもし出せる雰囲気がある。4曲目「Roundalay」はシリアスである種の凄みさえ感じさせる。漫画チックなオヤジが、急に劇画タッチに変身したかのようである。

とはいっても、全体としてはゴキゲンなブルース & スウィングが目白押しだ。オッサンはいつも明るく、笑いあり、時に頼りがいがあり、滅多に見せないが涙もある。存在自体が人生を豊かに生きてきた証しである「オッサン」。自分の子どもが成人するくらいには、e-uedaも名誉ある「オッサン」の称号をいただけるだろうか。

Oscar Peterson Trio Plus One / Oscar Peterson Trio & Clark Terry
1. Brotherhood of Man
2. Jim
3. Blues for Smedley
4. Roundalay
5. Mumbles
6. Mack the Knife
7. They Didn't Believe Me
8. Squeaky's Blues
9. I Want a Little Girl
10. Incoherent Blues
(1964)

Posted by e-ueda at 00:04

2006年09月11日

フライ・ウィズ・ザ・ウィンド / マッコイ・タイナー

新しいスピーカーを試すにあたり、選んだのはマッコイ・タイナーの「フライ・ウィズ・ザ・ウィンド」だ。1曲目「Fly With The Wind」からぶっ飛ぶこと請け合いの壮絶アンド痛快なサウンドが吹き荒れる。とにかく、これほど壮絶で美しい音楽は他に知らない。

マッコイのピアノは鍵盤88鍵を全部使い切っているのではないかと感じさせるほど、縦横無尽に弾きまくる。ビリー・コブハムのドラムは千手観音の異名をとるほどの手数の多さだが、千手観音でもこんなに打てまい。シーケンサーに無理やり三十二部音符を打ち込んで鳴らしているような状態だ。人の仕業とは思えない。

さらにヒューバート・ローズのフルートがまた美しい。流れるようなアドリブが、鬼気迫るアルバムの中で清涼剤のような役目を果たす。この面子でも存在感を失わないロン・カーターのベースも注目できる。ウッドベースとエレクトリックベースを使い分けながら、各曲を支えている。
それほど大編成ではないと思うが、ストリングスが効果的に全体を包み、盛り上げている。

2曲目「Salvadore de Samba」がスリリングに続く。ローズのフルートがあらためてフィーチャーされている。ドラムとベースの掛け合いも楽しめる。
3曲目「Beyond The Sun」はゆったりした流れの曲。オーボエやハープまでがマッコイの音楽を引き立てている。続く「You Stepped Out Of A Dream」はエキゾチックでスケールの大きさの中にも切なさを感じる曲だ。最後の「Rolem」まで、マッコイのピアノは疲れることを知らない。

さて、新しいスピーカーは、このアルバムの感動を素晴らしい音で伝えてくれた。他に何も聞こえないほどの大音量で楽しめる。何も言うことはない。このアルバムを聴いてあらためて涙がこみ上げてきた。

Fly with the Wind / McCoy Tyner
1. Fly With the Wind
2. Salvadore de Samba
3. Beyond the Sun
4. You Stepped Out of a Dream
5. Rolem
(1976)

Posted by e-ueda at 22:13

2006年06月05日

チェット・ベイカーを聴く

「Chet Baker Sings」を購入して以来、チェットに注目している。
「Sings」はたいへん素晴らしいアルバムで、ボーカルとトランペットのバランスが絶妙。明るさと哀愁のブレンドも絶妙である。

最初聴いたときは、小さな音で流して聞いてしまい、パンチ力なし、主張なし、やる気なしに感じてしまった。しかし、あらためて大き目の音で聴いてみるとどうだろう、録音状態の良さも手伝って、チェットの歌声とペットの音がすごくリアルに迫ってくる。まるでチェット自身が自分の隣で自分のために演奏してくれているようで、とても心温まるものに感じるようになった。以来、e-uedaの愛聴盤となっている。

それで次に手を出したのが「Chet」というアルバムで、ビル・エバンスとの競演盤である。ボーカルはない。悪くはないがちょっと暗すぎる。きっとビル・エバンスの仕業だろう。一曲目からマイルス・デイビスの「Kind of Blue」の「Blue in Green」を思わせる静かなイントロ。こんなに暗くなくてもいいのに。ただ、体がぐったり疲れているときは、さりげなく流しておくといい感じだ。でもそういう時くらいしか聴く機会がない。

もっと明るくて、ボーカルが中心の方がいいなと思い、「It Could Happen to You」を買ったのだが、今度は明るすぎる。悪くはないがちょっと狙いすぎ、というところだ。

もう少しチェットを追ってみようと思うが、結局ベストは「Chet Baker Sings」だなんていうオチになるかもしれない。

Posted by e-ueda at 20:40

2006年06月03日

JazzはやっぱりファンキーなBebop!

五月の連休中、CDチェンジャーの中身を入れ替えたことを書いたが、実はそのラインナップのせいで欲求不満に陥っていた。ボーカルものも多く、一見くつろげそうな感じだが、実際にはなんとも軟弱で、物足りない状態になってしまったのだ。やっぱりJAZZはホーンが中心のファンキーなBebopがメインでなければならない。

そこでAmazonで注文したのが、Kenny Dorhamの「Whistle Stop」、Art Blakeyの「Moanin'」、Dexter Gordonの「Go」だ。「Moanin'」や「Go」は今さらという方もおられるかもしれないし、e-uedaも一部は既知の曲もあるが、アルバムとしては持っていなかったので、あらためて購入した。「Whistle Stop」はあまり有名な作品ではないが、Dorhamの老巧な、それでいて軽快なDorham節を楽しめる。内容はたいへん質が高く、名盤と呼ぶにふさわしい。


んー!どれもいい!やっぱりファンキーな味に浸れるのは正に悦楽。現在のCDチェンジャーの中身は以下の通り。

1. Goodbye Milt Jackson
2. Moanin' Art Blakey
3. Organ Grinder Swing Jimmy Smith
4. Candy Lee Morgan
5. Moods Ville 9 Tommy Franagan
6. Go Dexter Gordon
7. It Could Happen To You Chet Baker
8. Whistle Stop Kenny Dorham
9. Lee Way Lee Morgan
10. Blue Haze Miles Davis
11. Come away with me Norah Jones
12. Best of Toots Thielmans Toots Thielmans

Posted by e-ueda at 20:31

2006年02月18日

図書館でJAZZのCDを借りる

車通勤でJAZZを楽しむようになって、月に何枚かずつCDを買うようになった。古いJAZZならそんなに高くない。Blue Note なら輸入盤のRVGエディションは一枚980円から手に入る。とはいえ、できれば出費を抑えたいというのが人情だ。

時々子どもたちを図書館に連れて行くのだが、そのときCDコーナーに目を移すと、あるじゃないですか、JAZZのCDが!ふんだんに取り揃えてあるわけではないが、まだまだe-uedaが聴いたことのないアルバムも結構ある。これからしばらくは図書館でコレクションを増やすとするか。今日借りてきたのは、次の通り。

06-02-18_19-58.jpg

A Night at the Village Vanguard / Sonny Rollins
ソニー・ロリンズの「ヴィレッジバンガードの夜」。いいっすよ、これ。久々にロリンズ節に酔った。ピアノレスの編成で堂々と、のびのびと、縦横無尽に繰り出すアドリブは、理屈ぬきに楽しく、いつまでも聴いていたくなる。「理屈ぬき」。いいじゃないですか。時の経つのも忘れるくらいの、楽しく味わいのあるアドリブなんて、滅多にお目にかかれるもんじゃない。ロリンズを見直そう、そう感じさせるアルバムであった。

The Rajah / Lee Morgan
「ナニコレ?」の代表的なアルバムだ。リー・モーガンのファンでも、このアルバムの存在自体知らない人が多いのではないだろうか。付属の解説によると、ブルーノートの倉庫で発見された未発表セッション(1966年11月録音)だそうで、Amazonでもこのアルバムは輸入盤でも東芝EMIの復刻版でも出ていない。これぞ掘り出し物である。肩の力が抜けたモーガンとモブレーの、意外にも心が和むような曲と演奏であふれている。

Groovin' With Golson / Benny Golson
ベニー・ゴルソンは優れた作曲家で、「アイ・リメンバー・クリフォード」、「ウイスパー・ノット」、「ブルースエット」などの名曲を世に送り出している。しかもこのアルバムではカーティス・フラーと組んでの録音である。トランペットなしのテナーとトロンボーンの組み合わせも新鮮だ。ゴルソンのオリジナル曲「マイ・ブルース・ハウス」をはじめ、ブルージーで心温まる演奏が楽しめる。

Bags Meets Wes / Milt Jackson and Wes Montgomery
ヴィブラフォンとギターの音の何と相性のいいことか!ミルト・ジャクソンとウェス・モンゴメリの相性のなんといいことか!ウィントン・ケリーのピアノも素晴らしい。サム・ジョーンズのベースの安定感、フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムも「ゴキゲン度」抜群。JAZZを聴いてて本当に良かった!

A Sing of the Times / Tal Farlow
さすが「名手」タル・ファーロウ。編成はドラムレスで、タル・ファーロウのギター、レイ・ブラウンのベース、ハンク・ジョーンズのピアノのみ。たいへんシンプルだが、以前紹介した「The Swinging Guitar」と同様、軽快なピアノとの掛け合いが楽しい。それにタルのギターだけでなく、ハンク・ジョーンズのピアノも美しく、内容も充実しているところが嬉しい。

今回は内容も知らず、一般的な評判もあまり調べずに借りたものばかりだが、どれも大当たりであった。皆さんから見ても、ナニコレ?というものもあっただろう。でもそれが図書館のいいところかもしれない。ラインナップのセンスは疑わしいものだが、かえって先入観にとらわれずに聴ける。第一損する心配もないので、今後も、お金を出して買おうとは思わないものも含め、いろんなアルバムに手をだそうと思う。

Posted by e-ueda at 18:49

2006年02月03日

リー・ウェイ / リー・モーガン

ちゃらんぽらんな人間のシリアスな一面や、底抜けに明るい人間が静かに佇んでいる姿を見て、はっとしたことはないだろうか。「意外な一面」というやつだ。そして知らなかったその一面が、新たな魅力ともなるかもしれない。

今日、熱が出て家で休んでいたら、注文していたCDが届いた。リー・モーガンの「リー・ウェイ」だ。退屈していたので早速聴いてみた。アルバムを通して感じたのは、モーガンの「意外な一面」だ。派手できらびやかなモーガンの音が、ここでは落ち着いた大人のテイストになっていた。

1曲目の「These are Soulful Days」はカルビン・マッセイの作品で、渋く、カッコよく、ちょっとニヒルな曲なのだが、モーガンがうまく料理している。たとえばテーマ部分のアンサンブルもよく練られているし、テーマ部分が終わるとすぐにベースのソロとなり、渋みを増す効果を与えていたりする。2曲目「The Lion and the Wolff」はモーガンのオリジナル。
3曲目「Midtown Blues」はマクリーンのオリジナルで、曲も演奏もマクリーンの特徴がよく出ている。しかし、マクリーンはいつものようなしつこい泣き節ではなく、適度な情感を込めて、モーガンの意図を反映している。4曲目の「Nakatini Suite」は1曲目と同様カルビン・マッセイの楽曲だ(マッセイって、いい曲作るなぁ)。ブレイキーの長めのドラムソロもよい。全体的にいえるが、ブレイキーのドラムの、正確無比なリズムと計算された無骨さが、このアルバムの雰囲気作りに大きく貢献している。

e-uedaはどちらかといえばシリアスな人間である。ちょっと融通のきかない面もあるかもしれない。だからといって、ちゃらんぽらんで優柔不断に振舞っても、意外な一面を見せたことにはならないだろう。人が内に持っている色々な面が、自然に外に出てくるとき、それはその人の意外性と魅力を彩るものになる。モーガンはこのアルバムで、普段は外に出てこない意外な一面を見せ、新たな魅力を発揮したのだ。

Lee-Way / Lee Morgan
1.These Are Soulful Days
2.Lion and the Wolff
3.Midtown Blues
4.Nakatini Suite
(1960)

Posted by e-ueda at 16:43

2005年12月23日

ナイト・トレイン / オスカー・ピーターソン

どの世界にも、その人ならではのキャッチコピーというものがある。それが一生ついて回ることもある。有名なピアニスト、オスカー・ピーターソンについて回るキャッチは「超絶技巧」だ。確かに上手い。文句なしで。でもきっと、オスカーは超絶技巧を目的にしていたわけではないのは明らかで、ただひたすら演奏を楽しみたい、聴き手を楽しませたいという純粋な思いで鍵盤上を縦横無尽に疾駆していただけに違いない。

ナイト・トレイン」を聴いていただきたい。確かにオスカーは上手い。だけど、それが聴きどころかな。そうじゃないよね。音楽って「音を楽しむ」っていう意味だよね。それが大事なんだ。思い出した?・・・ピアノを弾きながら、もの凄く単純な真実を無言のうちに語るオスカーの横顔が浮かぶ。

特にこのアルバムはブルースのオンパレード。オスカーは「俺はカナダ人である以前に黒人なんだ。忘れてた?」と語りかけてくる。俺は本当はこういうのを演りたいんだ。共感してくれるよね。いいよ別に、答えなくても。

オスカーのブルースにキャッチをつけるとしたらどうだろう。「C Jam Blues」なら疾走するブルース、「Night Train」なら気ままなブルース。「Georgia On My Mind」なら懐かしくいとおしいブルース。あとに続く曲も、ゴージャスなブルース、泣けるブルース・・・と、いろんな言い方ができる。でもどんな表現でもいいじゃない。僕等が楽しく聴ければ、そう、オスカーもきっと喜んでくれるに違いない。

Posted by e-ueda at 23:38

2005年11月16日

ティン・ティン・デオ / ケニー・バレル

ハングリーな状況を乗り切ることは、当座は辛いが、よい結果をもたらすことが多々ある。e-uedaが中学生の頃は、お小遣いはごくわずかだった。中古レコード屋に足繁く通うようになったのは、必然である。そこで買った廉価なLPレコードには、当たりもあればハズレもあった。もっとお金があればなぁとも思ったが、少ないお小遣いをやりくりしながら、隠れた名盤を探すうち耳が肥えたのも、ハングリーな状況がもたらしたよい結果と言えるだろう。

さて、今回ご紹介するケニー・バレルの「ティン・ティン・デオ」だが、中学時代、中古レコード屋で発掘した大当たりの名盤である。いつの間にか、「ストールン・モーメンツ」という二枚組のアルバムとして再発売されていたので、早速入手した。

20年ぶりに聴く1曲目の「Tin Tin Deo」の出だしに触れただけで、懐かしさが込み上げる。これだよ、これ!そういえば、夢中になって聴いたよな。ラテンリズムの名曲であるはずが、完全にクールなバレル節に変身している。「Old Folks」や「If You Could See Me Now」も、センチメンタルな少年には分かりやすいバラードだったが、今となっては「The Common Ground」に代表されるブルースの方が味わいがあるなと感じるのも、時を重ねたゆえの感性の変化であろう。

アルバムの出来としては、超メジャーな「ミッドナイト・ブルー」と比べても遜色ない仕上がりになっている。「ミッドナイト・ブルー」は非常に抑えのきいた渋味であるが、それに対してこのアルバムは、トリオ編成でシンプル且つバレルのギターが前面に出てきているので、聞き比べれば、こちらに軍配を上げる方も多いのではないだろうか。

合わせて入っていた「ムーン・アンド・サンド」というアルバムは、アコースティックギター中心の素朴なテイストであり、たいへん好感が持てた。これも愛聴盤の一つに加えられことになるだろう。

この2枚組みが1600円ほど。収入があり、JAZZのCDを買うには苦労しないようにはなったが、以前より安く買えるのは皮肉なものだ。せめて、好きなJAZZを自由に聴けることを感謝しつつ、今日も耳を傾けるとするか。

Tin Tin Deo / Kenny Burrell
1.Tin Tin Deo
2.Old Folks
3.Have You Met Miss Jones?
4.I Remember You
5.Common Ground
6.If You Could See Me Now
7.I Hadn't Anyone Till You
8.Petite Mambo
(1977)

Posted by e-ueda at 12:44

2005年10月30日

チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス


e-uedaはいままで1940年代あたりのJAZZは敬遠していた。何せ録音状態のよいものが少なく、アドリブの楽しさも、50~60年代のJAZZほどではないだろうと高をくくっていたからだ。しかしチャーリー・パーカーのウィズ・ストリングスを聴いた今、録音状態の良し悪しは別にして、アドリブの素晴らしさについては見直さざるを得なくなった。そして古いJAZZに対して狭量な自分を恥じた。

ウィズ・ストリングスというと、すぐに思い浮かべるのはクリフォード・ブラウンのアルバムだ。これは今でもe-uedaの愛聴盤で、家でパソコンに向かうときなどよくバックグラウンドで流している。ローラ(Laura)やホワッツ・ニュー(What's New)の切なさと美しさ、ブルー・ムーン(Blue Moon)や煙が目にしみる(Smoke Gets In Your Eyes)のような肩の力が抜けたブラウニーのペットはいつ聴いても心地よい。

パーカーのウィズ・ストリングスがブラウニーのそれと違うのは、パーカーがストリングスと共演することに対して大変積極的であったことだ。ブラウニーはその企画に対して、当初は気が進まなかったのとは対照的である。パーカーはストリングスの人たちに対して敬意を払い、メンバーはパーカーの飛びぬけた才能を認めて、非常によい関係の下に優れた作品を残すこととなった。音楽のジャンルを超えた寛容さの勝利とも言える。

さて中身だが、40年代のJAZZを侮っていたe-uedaは、一曲目の「ジャスト・フレンズ」から仰天することとなった。もう完全に出来上がってるじゃないの!すでに完璧で新しい。もっと言うと、完成されており、その後ほとんど進歩の余地がなく、皆パーカーという土台の上で個性を発揮しているに過ぎないんじゃないか。

またその表現力の豊かさ!「サマー・タイム」がねっとりとまとわりついてくる。チャーミングな「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」、「ローラ」の艶かしさ、粋な「ロッカー」。どれを聴いても、その曲ごとに違うパーカーの世界に引き込まれてしまう。

共演した楽団のオーボエ奏者がパーカーの影響を受けたのか、途中で入る短いソロも、クラリネットのような演奏になっているのがなんだか面白い。

でも待てよ、パーカーのサックスがこれほど凄いなら、同時代のトランペッターはどうなんだ?ファッツ・ナヴァロウやディジー・ガレスピーにももっと耳を傾けるべきなんじゃないか?狭量を捨て、もっと寛容にならなくてはいけないようだ。

Charlie Parker with Strings: The Master Takes
1. Just Friends
2. Everything Happens To Me
3. April In Paris
4. Summertime
5. I Didn't Know What Time It Was
6. If I Should Lose You
7. Dancing In The Dark
8. Out Of Nowhere
9. Laura
10. East Of The Sun (And West Of The Moon)
11. They Can't Take That Away From Me
12. Easy To Love
13. I'm In The Mood For Love
14. I'll Remember April
15. What Is This Thing Called Love?
16. April In Paris
17. Repetition
18. Easy To Love
19. Rocker
20. Temptation
21. Lover
22. Autumn In New York
23. Stella By Starlight
24. Repetition
(1947)

Posted by e-ueda at 19:48

2005年09月29日

通勤で聴いているJAZZ 12選(11,12)

12選の最後を飾るのは二人のピアニストだ。

11. Past, Present & Futures / Chick Corea
チック・コリアは言わずと知れた偉大なピアニスト。このアルバムでも余裕あふれる、しかもスリリングなプレイで聴き手をつかむ。だが余裕がある反面、鬼気迫るような迫力は影を潜めている。しかし、このアルバムの魅力はそんなところにはない。ピアノとベースとドラムの三者が渾然一体となっているところが素晴らしい。誰が突出するでもなく、うまく絡み合った三つの楽器が、複雑なハーモニーを織り成してゆく。これが円熟したチック・コリアの新境地か。

12. Fly with The Wind / McCoy Tyner
今年最高の感動(というかこれは衝撃?)が味わえた作品。ジャズファンはもとより、クラシックファンもロックファンも何も言わず可能な限りの大音量で聴いてほしい。壮絶かつ壮大なサウンドに思いっきり打ちのめされて、涙を流し、台風が去った後の青空のような心になってほしい。

当初CDチェンジャーが12連装で十分かと思ったら、結構少なく感じる。50連装がほしいが、それは贅沢だろう。生きがいや本格的な趣味は他にある。JAZZと車はあくまでも通勤時の楽しみにとどめたい。これぞ家族を大切にする男の道楽と、自分では納得している。

Posted by e-ueda at 22:08

2005年09月28日

通勤で聴いているJAZZ 12選(9,10)

今日はあまりにも対照的な二人ギタリストのアルバムだ。

9. Idle Moment / Grant Green
グリーンは正直ギターがあんまり上手くないような気がする。前回紹介したタル・ファーロウの指の速さから言うと、グリーンはその半分にも満たないと思われる。でも、グリーンのアルバムは面白い。早弾きには価値を見出さず、コードもピアノ任せ。ひたすらシングルトーンで、おそらくはホーン感覚で演奏しているのだろう。しかし、その個性的なスタイルのアドリブが本当に楽しい。またアレンジでも聴き手を楽しませる術を心得ている。この人の前では、あまり理屈っぽくなってはいけないようだ。

10. Midnight Blue / Kenny Burrell
タイトルどおりの真夜中仕様。朝に聴いても、もう夜が来て一日が終わってしまったかのような錯覚に陥る。それほど黒く、ブルージーで、渋いアルバムだ。熱帯夜のような内に秘めた熱さが伝わってくるような曲もあれば、カーテンの隙間から入ってくるひんやりとした夜風のような曲もある。情感豊かなフレージングと巧みな和音、確かなテクニックと抑えのきいた演出は、他の追随を許さない。金曜日の帰り道などに聴くと、疲れと緊張から解かれて、いい週末が過ごせそうな気がしてくる。

Posted by e-ueda at 21:00

2005年09月26日

通勤で聴いているJAZZ 12選(7,8)

CDチェンジャーは12連装だが、デッキの曲数ボタンは6までしかない。では7曲目を再生するにはどうするか。1を長押しする。長押ししてかかるのが次からのアルバムだ。

7. My Point of View / Herbie Hancock
ハービーは筋金入りのコンポーザーだ。メンバーをまとめるのが本当に得意だ。「Maiden Voyage」では同年代の若手に120%の実力を発揮させると思うと、この「My Point of View」ではドナルド・バード、ハンク・モブレー、グラント・グリーンら錚々たるおっさん達をうまく取りまとめている。もちろんアルバム全体に中年くささは皆無で、適度な重みの正統派 & 新主流派的な出来となっている。文句なしに楽しめる一枚。

8. The Swinging Guitar / Tal Farlow
ホーン物ばかり聴いていると、時に疲れることがある。特にサックスにバブー、ビボーと纏わりつかれたくないと感じる時がある。そういう時はどうしたらよいか。即、ギター物を聴こう。耳に心地よく響く。このタル・ファーロウのアルバムも、疲れた耳にはうってつけ。Eddie Costa のピアノとの歯切れよいやり取りが軽快で、気分も軽くなる。だからといって内容の軽いイージーリスニングというわけではない。タルは名手であり、演奏の充実度は半端じゃないことは申し上げておく。

Posted by e-ueda at 21:25

2005年09月25日

通勤で聴いているJAZZ 12選(4-6)

今日は4~6枚目。ここから3つのアルバムはトランペッターのリーダー作品となる。

4. Art / Art Farmer
アート・ファーマーのワンホーンである。落ち着いた雰囲気のアルバムで、大人の味だ。アート・ファーマーというと、「The Summer Knows」や「Yesterday's Thoughts」のようなバラード集で日本人のファンを増やしてきた印象があるかもしれない。しかしそれは、レコード会社の企画 & マーケティングの所産であり、アート自身は真摯で媚びないのが基本スタンスである。このアルバムも聴きやすい物ではあっても甘くはなく、上質な大人の和みをもたらしてくれる。アートには変にロマンチックに歌わせるより、こちらの方が何倍もいいだろう。

5. Blue's Moods / Blue Mitchell
いやぁ、いいですよ、ミッチェル。ケニー・ドーハムを聴き尽くし、これから誰のトランペットを聴いてゆけばいいのか考えていた矢先、このアルバムに出会った。これも上の「Art」同様、シックなワンホーンで、気楽さと重さのバランスが絶妙だ。こういうアルバムを聴くと、まだまだトランペットの世界も楽しみが多いなと思う。

6. Cookin' / Miles Davis
これも買ってからずっとチェンジャーに入りっぱなしだ。何といっても一曲目の「My Funny Valentine」が最高。他の曲でもマイルスは気難しいことを言わず、ファンキーでバップな演奏を繰り広げている(その分「My Funny Valentine」だけはワンホーンで吹いていて、こだわったのかなと感じる)。「Kind of Blue」「Somethin' Else」などはしばらく聴いては姿を消したが、Cookin' はずっと愛聴している。フォービートなマイルスをお楽しみあれ。

Posted by e-ueda at 07:36

2005年09月24日

通勤で聴いているJAZZ 12選(1-3)

車通勤にしてもう半年以上が過ぎた。今日から何回かに分けて、会社の行き帰りで聴いているJAZZをご紹介したいと思う。CDは12連装のチェンジャーに入れてあるので、それを一枚ずつコメントしよう。(番号はチェンジャーのスロット番号で、順位ではない)

1. Maiden Voyage / Herbie Hancock
CDチェンジャーを積んでから、ずっと聴いているのがこれ。処女航海の緊張とときめきが、聴き手の気分を一新してくれる。大袈裟に言うと希望が湧いてくる。フレディ・ハバードやジョージ・コールマンはいたって普通なのだが、ハービーが強力なアレンジャー & コンポーザーとしてメンバーを引っ張り、斬新なアイデアと広がりのある表現を実現している。メンバー同士を触発させることにより閃きを引き出し、情景描写を適度に入れることによって大変新鮮な仕上がりとなっている。

2. The Real McCoy / McCoy Tyner
こういうのが聴きたかったんだ!マッコイ凄いぞ!!コルトレーンの呪縛から解かれたマッコイやエルビンが大炸裂している。会心の笑顔で演っている彼らの姿が目に浮かぶようだ。テナーサックスはジョー・ヘンダーソン。マッコイとジョーヘンの目指すところは一致している。コルトレーンの一種浮遊したようなモード演奏オンリーではなく、文字通りリアルで色の濃いモードと化学反応的なコード進行上での弾け合いだ。エルビンの複合リズムは、コルトレーンの我儘のためでなく、メンバー間の演奏の化学反応を加速させる触媒的な役割に変わっている。バップには少し疲れたが、前衛的なものには付いていけない方などには、まさに新鮮な喜びをもたらす作品としてお勧めしたい。

3. A Night at Birdland Vol.1 / Art Blaykey
熱い!熱すぎる!!メンバー全員がもの凄いテンションで、最高のライブパフォーマンスを発揮している。中でも一番の聴き所は、クリフォード・ブラウンの圧倒的なアドリブであろう。信じられない離れ業を次々と繰り出してくる。ブラウニーと言えば、以前「スタディ・イン・ブラウン」のレビューも書いたが、このアルバムは、一曲一曲が短いゆえにブラウニーのプレイも短く、完成されすぎてまとまりすぎ、加えてハロルド・ランドの演奏がなかなかのものなので、以外にもブラウニーの演奏が目立たないまま終わってしまうという側面がある。もしブラウニーの圧倒的なペットが聴きたかったら、この「A Night at Birdland Vol.1」をぜひ聴いていただきたい。完全に満足できること請け合いだ。

続きは次回へ。

Posted by e-ueda at 10:40

2005年06月30日

ページ・ワン / ジョー・ヘンダースン

JAZZの評論やレビュー記事などを読むと、「リリカル」という言葉が出てくる。この言葉、濫用されるきらいがある。ちょっと雰囲気のいい演奏をみんな「リリカル」と表現してしまっているように見受けられる。しかしその意味は、「抒情的な」というものであり、バラッドやスロー~ミディアムテンポの雰囲気のいい曲を何でもリリカルと言っていい訳ではない。

そこで今日は、これぞ「リリカル」と言えるアルバムを紹介したい。ジョー・ヘンダースンの「ページ・ワン」だ。ジョーヘンの初リーダーアルバムである。彼自身のプレイもすばらしいが、共演したケニー・ドーハムも作曲とプレイの両面で貢献し、まるで宝石のように尊い作品集になっている。

1曲目「Blue Bossa」は名曲中の名曲だ。そしてこれ程リリカルという表現がぴったりの演奏もない。哀愁漂うメロディーに、ボサノバ調のドラム、ジョーヘンとドーハムの心に染み渡るようなアドリブに、本気で泣けてくる。
2曲目は「Mesha」、スローテンポのバラードで、やはり深い感情のこもった各人のソロが聴ける。間違いなくリリカル、だが感傷に流されることなく芯のあるアドリブを聴かせるのはさすがである。流麗なマッコイのピアノも印象的だ。
上の二曲で完全なカタルシスを体感した後、3曲目の「Homestretch」は急にスピード感あふれるハードバップとなる。しかし、なぜかうるさく感じないのはアルバム全体の雰囲気や、ジョーヘン&ドーハム コンビの出せる味のせいだろう。
リリカルなボサノバ「Recorda Me」、文字通り東洋的な雰囲気の「Jinrikisha」、最後に、真夜中にぴったりのマイナーブルース「Out of the Night」と続いて幕が引く。

雰囲気のいいバラードなら、リラックス作用がある。しかし、このリリカルな作品集は、リラックスをもたらしてくれるのはもちろん、聞いた後の充足感が半端ではない。そして、いくら聴いても飽きない。e-uedaは、この不思議な魅力に20年ほど憑かれている。

いかにこのアルバムが「リリカル」かお分かりいただけたと思う。ちょっと「リリカル」を濫用しすぎたが。

Page One / Joe Henderson
1.Blue Bossa
2.Mesha
3.Homestretch
4.Recorda Me
5.Jinrikisha
6.Out of the Night
(1963)

Posted by e-ueda at 21:47

2005年06月21日

道化師 / チャールス・ミンガス

「濃い」のは好きかと聞かれると、味であれ色であれ、または人間であれ、ちょっと敬遠される傾向があるのではなか。特に濃い人間は、かかわると大変だという先入観があるかもしれない。しかし実際はそんなことはなく、情熱の矛先が専ら物事に向けられている限り、結果はよいものになるのが普通だ。まあ、それが人に向けられると、単に絡まれているようでいい気持ちはしないだろうが。

JAZZ界にも滅茶苦茶「濃い」人がいる。その中でも代表人物といえるのがチャールス・ミンガスだ。この人はいつも怒っている。演奏も振舞いもだ。サイドメンバーを殴ったり、不真面目な聴衆を追い出すというような逸話は枚挙にいとまがない。これは、有り余る情熱が人に向けられてしまった例で、全く爽やかではないが、こと音楽に対して向けられると、もの凄い説得力をもたらす作品が出来上がる。

「道化師(邦題)」というアルバムを聴いてみよう。1曲目は「Haitian Fight Song」。いきなり戦いの音楽だ。まるで芸術家の岡本太郎氏のように大爆発している。「これ、いいわね」みたいな安住と迎合を否定している。自由を勝ち取るために真剣に戦っているのだ。2曲目は「Blue Cee」。Ceeの意味は分からないが、意味深な、それでいてユーモアのあるブルースに仕上がっている。
3曲目「Reincarnation of a Lovebird」はチャーリー・パーカーのために捧げられた曲で、これについては歴史的名曲および名演と言うほかない。無骨で不器用なミンガスの、心の優しさや美しさを見るようだ。この1曲のためだけでも購入する価値がある。
4曲目「Clown(道化師)」は何とJAZZと朗読の融合だ。英語が分からなくても何故か楽しめ、しかも繰り返し聴きたくなる不思議な曲。こんなJAZZ、事なかれ主義の凡人には思いつきもしまい。

この頃のミンガスの代表作であり最高傑作と目される作品に「直立猿人」がある。しかし「道化師」と比べると「直立猿人」も色褪せて見えるから不思議だ。表情の豊かさは「道化師」の方が数段上だ。ミンガスのベースもたっぷり聴ける。また、単に怒りだけでなく、喜・哀・楽の深い感情が込められているだけこちらの方が上手であると思われる。

まあ、「あっさり」ばかりだと雰囲気はいいが、何も成し遂げられないし、前進もままならないことが多い。普段から、無気力や事なかれ主義に嫌気がさすようなパワフルな人なら、チャールス・ミンガスの「道化師」にいたく共感するに違いない。でも、やっぱり濃すぎるかな・・・。

The Clown / Charles Mingus
1.Haitian Fight Song
2.Blue Cee
3.Reincarnation Of A Lovebird
4.The Clown
(1957)

Posted by e-ueda at 23:40

2005年06月12日

アイドル・モーメンツ / グラント・グリーン

「種も仕掛けもありません」・・・こんなセリフで手品を始めるマジシャンはすっかりいなくなった。種明かしをするテレビ番組すら出てくるようになったがこれは興ざめだ。マジックを見る人は、どこかに種や仕掛けがあるのは分かっているのだけれど、見破れないまま騙される楽しさに身を任せるのだから。

今回紹介するのはグラント・グリーンというギタリスト。e-uedaにとっては謎の男である(素性を知らないという意味で)。しかしこの人のアルバム「アイドル・モーメンツ」はめくら撃ちの購入だが、的のど真ん中を射る大当たりであった。そして何より、種も仕掛けも満載の、グリーンの演出に酔わされる結果となる。

一曲目の「Idle Moments」は、スローモーションのようなテンポで演奏される。曲の終わりに近づくとますますスローになり、止まってしまいそうなのだ。これはグリーンの狙いなのだろう。e-ueda流に訳すと「まったり時間」であるから、これでいいのだ。このスローテンポ上で供されるアドリブは味わい深く、黒いフレーズのオンパレードとなる。二曲目「Jean De Fleur」では、ルパン三世のテーマを思わせるようなカッコいいメロディーが。三曲目の「Django」は言わずと知れた名曲であるが、クールなテーマとブルージーな編曲に乗せて、各メンバーがアルバム中一番熱いんじゃないかと思うほどのアドリブを聴かせている。四曲目も二曲目同様カッコいいメロディーで、ホットなインタープレイが繰り広げられる。四曲とも、バッキングの要所で決まったリフが表われる。これがまたグリーンの仕掛けで、聴く方は否が応でも盛り上がる。

もうひとつの聴き所はテナー・サックスである。最初、参加メンバーを見ないでそのまま聴いてみた時、グリーンの個性的なスタイルにもそそられたが、同時に「このテナー、だれ?」という点が妙に気になった。一曲目、あまりにもスローな曲に溜息のような音色を注ぐこの人は?ううむ・・・と首をかしげているうち、二曲目が始まるとピンときた。ジョー・ヘンダースンだ。うねうねと聴き手を巻き込むフレーズで正体をばらすと、後はまんま自身を曝け出し始めた。三曲目では、初リーダー作「ページ・ワン」の「Out of The Night」を思わせるプレイで盛り上げる。ケニー・バレルの「ミッドナイト・ブルー」におけるスタンレー・タレンタインのように、ギタリストとテナーの組み合わせは結構重要だなとあらためて感じた。

それにしても謎の男 グラント・グリーン。この人の場合、種も仕掛けも見え見えだ。でも、この際どうでもいい。騙される楽しさに思いっきり身を任せようじゃないか。

Idle Moments / Grant Green
1.Idle Moments
2.Jean De Fleur
3.Django
4.Nomad
5.Jean De Fleur (Alternate Version)
6.Django (Alternate Version)
(1963)

Posted by e-ueda at 21:16

2005年06月04日

ブレーキング・ポイント / フレディ・ハバード

拝啓  フレディ・ハバード様。お元気でお過ごしでしょうか。
この度は、貴方に謝らなくてはと、筆を取った次第です。

以前私は記事の中で、貴方のトランペットを「明らかにひらめき不足」と表現してしまいました。そのことをお詫びいたします。

実のところ、ハービー・ハンコック氏の「処女航海」における貴方のプレイについては、皆が大騒ぎすればする程さめてしまう自分に気付きました。私自身は、より新しい時代の幕開けにふさわしい、めくるめく世界への扉がまさに開いたかのようなプレイが聴きたかったのです。もちろん、ハンコック氏のコンセプトを表現しきっていることは否定しません。しかし、貴方のアドリブが少々単調であるように感じ、不完全燃焼を起こしてしまいました。また、Blue Note からでているベスト盤も聴いたのですが、やはり何か物足りなさを感じてしまったのです。でもこれは、私の耳の問題かもしれません。

しかし、私は今日、そんなことを述べるためにお便りしているわけではありません。実は私、貴方が1964年に吹き込んだアルバム「ブレーキング・ポイント」を聴いてみたのです。するとどういうことでしょう。貴方のトランペットの音、アドリブ、作曲、アレンジ、すべてにおいて魅了され、まさにノックアウト状態なのです。

このアルバムにおける貴方のトランペットは明らかに冴え渡っています。1曲目の表題作からやられました。出だしからあまりにもカッコよく、強烈で創造的なインプロヴィゼーションに触れ、抗し難い力で貴方の世界に引きずり込まれました。続く「Far Away」ではスリリングなアレンジに痺れます。ハードバップ調の「D Minor Mint」も新鮮に感じます。「Mirrors」は名曲ですね。どちらにしても、貴方が伝えたいと思っているエモーションは、よく理解できたつもりです。

一緒にプレイされているジェームズ・スポールディング氏は存じ上げませんが、アタックの強いアルト・サックスとクールなフルートで、貴方の意図を完全に実現させているのは見事だと思います。

いろいろ失礼なことを書いてしまい、本当に申し訳ありません。お気を悪くなさらないでください。今後はもっと貴方の作品を、真摯な気持ちで受け止めたいと思います。こんなつたないリスナーですが、見限らないでいただければ幸いです。

今後とも貴方の作品が正当な評価を受けることを切に願いつつ、筆を置かせて下さい。

敬具

Breaking Point / Freddie Hubbard
1.Breaking Point
2.Far Away
3.Blue Frenzy
4.D Minor Mint
5.Mirrors
6.Blue Frenzy [Alternate Take]
7.Mirrors [Alternate Take]
(1964)

Posted by e-ueda at 22:09

2005年06月03日

ウィズ・ストリングス / クリフォード・ブラウン

JAZZはアドリブが命で、これがお座なりだと、単なるイージー・リスニングになってしまう。しかし、そこは人間、いつも気合の入ったインプロヴィゼーションを欲しているわけではなく、時には心地よい音に身をゆだねたいだけの時もある。多少の緩みも必要じゃないか。そんなときは、クリフォード・ブラウンの「ウィズ・ストリングス」を聴いてみてはどうだろう。

「ウィズ・ストリングス」は、チャーリー・パーカーも同名のアルバムを残しているように、いわゆる企画物である。私から見れば、いろんな意味で、ジョン・コルトレーンの「バラッド」と共通しているような気がする。まず、あまり深い意味はないという点で。しかし上質で、じっくりと耳を傾ける価値のあるムードミュージックに仕上がっている。(区別はある。コルトレーンはバラッドで、ブラウニーはあくまでもムードだ。)

ムードなら、ニニ・ロッソやハープ・アルバートじゃダメなの? とくるだろう。でも、やっぱりこれは生粋のジャズメンの演奏で、アドリブもしっかりあるし、本質的にJAZZなのだ。JAZZプレーヤーでなければ、これほど味わい深いムードミュージックは作れないだろう。それはコルトレーンの「バラッド」然りである。

バックのストリングスは、アレンジも音色も少々時代がかっている。といっても1955年の録音だから当然といえば当然だ。かえっていい味を出している(録音は非常に良い)。しかもリズム隊はリッチー・パウエル(p)、ジョージ・モロー(b)、マックス・ローチ(ds)とくる。そう、やっぱり単なるムードではないでしょ。

それにしても、ブラウンとローチがこのようなムードを演るなんて、と思うが、炎のようなプレイと精力的な演奏旅行を常としていた彼らにとっては、きっといい気分転換になったんじゃないか。コルトレーンが「バラッド」を演ったときだって、きっと同じだったと思う。シリアスな精神世界の追求に走っていたメンバーがバラッドの演奏にしばし没頭したときには、さぞかし安らぎの時となったに違いない。

そう、ひたむきな人ほど、多少の緩みも必要なんだ。

Clifford Brown With Strings / Clifford Brown
1.Yesterdays
2.Laura
3.What's New?
4.Blue Moon
5.Can't Help Lovin' That Man
6.Embraceable You
7.Willow Weep for Me
8.Memories of You
9.Smoke Gets in Your Eyes
10.Portrait of Jenny
11.Where or When
12.Stardust
(1955)

Posted by e-ueda at 01:11

2005年05月07日

クワイエット・ケニー / ケニー・ドーハム

e-ueda は学生時代トランペットを吹いていた。中学時代は独学で、高校時代にはブラスバンド部に在籍していたこともある。そんな経緯からJAZZ鑑賞においても、トランペッターの作品を中心に聴いているし、トランペッター自身に対する要求レベルも自然と高くなってしまう。そんな私が一番好きなトランペッターといえば、ケニー・ドーハムである。

ドーハムの音は、一言でいえば「渋い」。だからといって元気がないとか古くさいという意味ではない。たとえば「Una Mas」や「Afro Cuban」、「Whistle Stop」などの作品を聴けば、れっきとしたハードバッパーで、力の漲るアドリブを聴かせたり、小刻みな音符を刻むハイスピードな曲も平気で吹きこなす実力派であることを認識できるだろう。ただ、どこかしら哀愁を感じさせる音色は、トランペットという花形楽器の割に地味であることは確かだ。それがこの人が、よりメジャーになれなかった一因となっているのかもしれない。

今回紹介するのは「Quiet Kenny」。このアルバムは一言でいえば、「静かなり、されどロマンチシズムにあらず」だ。日本人が好むようなバラード集ではないことを前提に聴いたほうがよい。静かだが深い感情が込められたドーハムのソロに、じっと耳を傾けてほしい。そして、曲ごとにまったく違った音で表現されているので、その意図を汲むならより味わいが深くなる。

1曲目の Lotus Blossom (蓮の花)では、金管楽器特有の硬い音で迫ってくる。少し早めのテンポで、ドラムのソロもある、というと本当にQuiet?と思うかもしれないが、ドーハムの感情を内に秘めた音に激しさはなく、芯の強い美しさを見事に表現している。そうかと思うと2曲目の My Ideal では、まるで夢の中で鳴っているような音で、優しく包み込んでくれる。
4曲目の Alone Together は、細く悲しげな音で歌い上げる。やるせなくて、胸が締め付けられそうだ。3,5曲目はマイナーブルース、6~8曲目は明るい曲が続き、アルバムが終わる。その中でも7曲目の Old Folks は、My Ideal と同じく柔らかく優しい音で満ちている。

窓辺のソファーによりかかり、Quiet Kenny をじっくりと聴いたあと、張りつめていた心はすっかり解きほぐされていた。髪に指を通し、深く息をつく。真夜中過ぎの徒然に、この切なさは何だろう。

Quiet Kenny / Kenny Dorham
1.Lotus Blossom
2.My Ideal
3.Blue Friday
4.Alone Together
5.Blue Spring Shuffle
6.I Had the Craziest Dream
7.Old Folks
8.Mack the Knife
(1959)

Posted by e-ueda at 00:07

2005年05月06日

JAZZの評論家との付き合い方

JAZZを聴いていると、そのプレーヤーの背景や思想、録音時のエピソードなどを知りたくなる。JAZZ評論家の本を読むと、そういう情報が気軽に手に入るのは確かだ。彼らは豊富な情報に基づいて、その情報を提供したり批評したりすることを生業としている。

しかし、その情報を鵜呑みにすると、自分の音楽観が特定の批評家の縛りを受けて、聴いてもいないプレーヤーを毛嫌いしたり、正直言って感動しないアルバムを称えたりする、カッコだけのリスナーになってしまう。そんなリスナーになって幸せだろうか。JAZZは自分なりの聴き方ができる寛容な音楽だから、できるだけ外部からの縛りを受けないようにすべきだろう。

ここで、私から見たJAZZ評論家の論評や傾向に対するアンチテーゼを披露しよう。もしかしたら私の未熟さも露呈するかもしれないが、結局は自分がどう楽しむかというのが大事だということを示してみたいと思う。

● ハンク・モブレーは二流?
評論家達はハンク・モブレーを二流と称す。「もー、無礼」な。私はモブレーについては、聴き手を楽しませることにおいては一流だと思う。さらに作曲の腕前は超一流だ。たとえば 「Soul Station」 を聴いていただきたい。こんなに楽しくリラックスできるワンホーンが他にあるだろうか。聴く楽しさから言えば、ソニー・ロリンズのワンホーン物と引けはとりませぬ。「Caddy for Daddy」 もいいぞ。リー・モーガンやドラムのビリー・ヒギンズを起爆剤にして質の高いハードバップに仕上がっている。「Dippin'」はどうだ。1曲目の Dip では、聴くほうが恥ずかしくなってしまうほど泥臭い曲で始まったかと思えば、2曲目の Recado Bossa Nova では華麗な演奏に酔わされる。
また、上に挙げた3つのアルバムでは、大部分がモブレー自身のオリジナル曲となっている。どれもなナイスな曲ばかりだ。しかし、ある評論家にによれば「モブレーの作曲は平均的な腕前」だそうだ。こんな論評、何の益になるのだろう。人の意見に振り回されると自分の視野が狭くなり、楽しめるものも楽しめなくなるいい例だ。

● ジョン・コルトレーンの最高傑作は「至上の愛」?
至上の愛」、確かにすばらしい作品だし、私も一時期の間、熱狂的に聴いた覚えがある。特に2曲目 Resolution が好きで、何度も何度も繰り返し聴いていた。しかし実は、この2曲目の良さはもっと過去の作品でたっぷり味わえる。たとえば「Giant Steps」。私からすれば、この作品はコルトレーンのアドリブの集大成で、アドリブに関してはこれ以上のものが有るのかどうかは、全作品を聴いてないので分からない。でも、今の私の段階でも言えるのは、「コルトレーンの精神性の追求という観点だと『至上の愛』が最高傑作、しかしアドリブの聴き応えや演奏のレベルの高さから言うと『Giant Steps』もしくは他の作品」ということになる。
そもそも初期作品の「Blue Train」でコルトレーンを楽しんだ人が、必ずしも「至上の愛」を楽しめる保障は何もないのだ。だから評論家に振り回されて、楽しくもない「最高傑作」を我慢して聞くなんてことがないようにしたい。自分の耳が成熟してくれば、いつかは自然に楽しめるようになってくるのだから。

● 新主流派やフリージャズについての論評は?
私がJAZZに夢中になった中学生時代、よく古本屋に足を運んでは、なけなしのお小遣いの中から、自分が生まれる前の時代の Swing Jornal を買い漁っていた。私はこれでJAZZについての知識を増やしていった。しかし、当時から気になったのが、新主流派やフリージャズに対する論評。だれも厳しく批判できないのだ。つまりこれらを批判すると、時代についていけてないことを露呈してしまい、評論家の沽券にかかわるという無言の圧力があったのだろう。
新主流派といわれるプレーヤーも私が聴く限り、フレディー・ハバードのアドリブは明らかにひらめき不足で、単調だなと感じることが時たまある。ウェイン・ショーターも絶賛されているほど面白くはない。でも、ジョー・ヘンダーソン、ハービー・ハンコック、トニー・ウィリアムスは聴き応えのある演奏を惜しげもなく披露してくれる。もちろんフレディー・ハバードやウェイン・ショーターを文句なしに楽しめればそれはそれでいいのだが、ここで言いたいのは、人の意見に振り回されて、Good も Bad も判断できなくなるのは良くないということである。
同じようにいえるのがフリージャズについての論評だ。本当に面白いと思う?フリージャズ。やはりこれも作品ごとに判断すべきで、フリーは何でもありだからといって、良し悪しや好き嫌いについてなにも言えないようであってはならない。
それにしても、オーネット・コールマンの 「At the "Golden Circle" in Stockholm」、オーネットのアルトの音が生き生きしていてつい聴いちゃうんだよな・・・。

以上、一言でまとめると「JAZZ鑑賞における『裸の王様』になってはいけない」ということである。ご参考まで。

Posted by e-ueda at 12:54

2005年05月05日

スタディ・イン・ブラウン / クリフォード・ブラウン

クリフォード・ブラウン(以下、ブラウニー)のトランペットは、テクニックが凄い。しかし単なる職人では終わらないのがこの人の魅力だ。たとえば、有名なヘレン・メリルのヒット曲「You'd be so nice to come home to」でとったソロなんかいい例だ。短いながらも、美しく情緒豊かなソロを聴けば、よほどの鬼でない限り、すぐにあたたかな気持ちになり、歌の世界に引き込まれること間違いない。

アルバム「スタディ・イン・ブラウン」は、ブラウニーが絶好調だった1955年、交通事故で亡くなる一年半ほど前に録音されたものだ。持ち前のテクニックは誰も止められないほどの炸裂状態。加えて、一緒に二管を構成しているハロルド・ランド(ts)も息がぴったりで、テーマ部分の絶妙なアンサンブルを聴かせてくれる。このふたりのアンサンブルだが、複雑な絡みがあると思えば、多くの部分がまるでワンホーンの如く聞こえる究極のユニゾンで構成されている。

ユニゾンが多いからといって安易であると考えるのは早計だ。もちろんこの世には、能力不足によるユニゾンもたくさん存在する。たとえばJAZZではないが、ジャニーズ系のアイドルグループは、たくさんの男が雁首揃えてみな同じ旋律を歌う。男のユニゾン、ハッキリ言って気持ち悪い。それに「踊りとユニゾンしかできないの?」という辟易した気持ちにもなる。ユニゾンに対するネガティブな印象が拭いきれない。でも、このアルバムのユニゾンは、そんな次元で語るレベルではない。書きながら反省している・・・。このアルバムにおける一糸乱れぬ芸術的なユニゾンは、無条件降伏的に楽しめるものだ。

最後にアドリブについて。凄い。ブラウニーについて語ると凄いという言葉を何度も使ってしまうがご容赦を。100発100中のガンマンの如く、狙いすましたかのようなフレーズが淀みなく繰り出される。反面、音色はとてもあたたかく、少しもとげとげしさがない。きっと温厚で、プレイに対してひたむきな人だったのだろう。

9曲あっという間に過ぎてしまい、もう一度、もう一度、聴きたくなる。

Study in Brown / Criford Brown
1.Cherokee
2.Jacqui
3.Swingin'
4.Land's End
5.George's Dilemma
6.Sandu
7.Gerkin for Perkin
8.If I Love Again
9.Take the "A" Train
(1955)

Posted by e-ueda at 00:07

2005年05月04日

ザ・サイドワインダー / リー・モーガン

13歳の少年がJAZZに覚醒した。そのきっかけはリー・モーガンの「ザ・サイドワインダー」だった。父親が若い頃聴いていたという1950,60年代のJAZZのLPレコード。その中からふと、このアルバムをターンテーブルに載せたことが、引き返すことのできないJAZZ迷宮の入り口となってしまった。耳にしたときにはそりゃもう、文字通り「横からの痛烈な一撃」を喰らわされたようなものだった。

思い出話から始まってしまったが、e-ueda のJAZZ入門となったのがこれ。たかが中学生の男の子にJAZZの楽しさを分からせたのが、このアルバムの偉大さであろう。それもそのはず、資料によると1964年にビルボードのアルバム・チャートで最高25位、タイトル曲は同シングル・チャートで最高81位にランクされたという。誰にでも親しめるものだと断言できる。

リー・モーガンのトランペットの良さは、どんな曲にも対応できる万能な表現力にある。たとえばハーフヴァルブ。ちょっといやらしいのだが、これがファンキーな曲調にぴったりなのだ。自在のタンギングはフレディ・ハーバードなど目ではない。また、突き上げるような高音でまくし立てれば、迫力やスピード感もたっぷり。吹き放つような奔放な音はこの人の一番の特徴と言ってよく、爽快感や楽しさをもたらしてくれる。

さて、アルバムの内容だが、一曲目の The Sidewinder は、メロディーはファンキーでゴキゲンな仕上がり。しかしリズムは4ビートではなく、8ビート。このメロディーとリズムが合わさって、得も言われぬノリを醸し出す。二曲目、 Totem Pole では、シリアスでカッコいいメロディーに誰もがひきつけられるだろう。残りの三曲もノリのよいものばかりだ。全体的に、リズム隊がタイトで気持ちいい。理屈ぬきでJAZZを楽しみたい人にはおすすめである。

さあ、もう一発喰らおうか。

Lee Morgan / The Sidewinder
1.The Sidewinder
2.Totem Pole
3.Gary's Notebook
4.Boy, What A Night
5.Hocus-Pocus
(1964)

Posted by e-ueda at 09:51

2005年05月03日

マイルス・デイビスに思うこと

40年間で100余りのアルバム世に送り出し、常にJAZZ界に変革を与えてきたマイルス・デイビス。確かに偉大であることは認める。みんなマイルスが提唱してきたものを、時には取り入れながら、時には全面的に従いながら進歩してきたことは間違いない。

でも、マイルスの演奏が楽しいか、上手いか、魅力的かというと、残念ながらその偉大さに比例するわけではないということも申し上げてておきたい。だから、マイルスの作品を平気で初心者に薦める人もいるが、私は賛成できない。

マイルスは、テーマ部分もアドリブも、かなりもったいぶった吹き方をしている。ミュートの多用がそれに拍車をかけている。また、演奏そのものよりもバンドの音、コンセプト、理論、効果などに力を入れているように思えてならない。だから純粋に楽しもうとすると理解不能に陥ったり、不完全燃焼になってしまうわけだ。

マイルスを楽しみたいなら、ある程度の予備知識を得てから、丹念に聴くとよいだろう。また大事なことだが、行間ならぬ音間を汲み取る必要がある。さらに、エレクトリックに移行した後の作品で不快に感じるものがあったら、深追いしないほうがよい。マイルスの尊い実験台になっているだけだからだ。できれば4ビート時代から、代表作をいくつかセレクトしながら聴いてみよう。だんだん感性が受け付けるようになってくる。

いろいろ書いたが、マイルスがJAZZ界を面白くしたことは間違いない事実だ。そしていま私は、マイルスを徐々に楽しめるようになってきている。

Posted by e-ueda at 00:44

2005年05月02日

JAZZに親しむために - 基本は4ビートのブルース

JAZZは、基本的には4ビートのブルース スケールで演奏される、ファンキーで味のある音楽だ。だから単なるメジャースケールのC調メロディーはないし、日本人が好むようなバラードというのもそう多くはない。というかそれを目当てにすると、あまり満足が得られない。
もちろんJAZZは、ハードバップ、クールやスムース、ボサノバ調、モード、エレクトリック、はたまたフリーまで多種多様だ。それでも、聴き手の根底にブルースとファンキーを楽しむ触覚が有るのと無いのとでは楽しめる幅と深さが全然違うということだ。

Posted by e-ueda at 08:16

2005年05月01日

JAZZに親しむために - マニアな人の意見を鵜呑みにしない

私もそうだがJAZZが好きな人は、特定のプレーヤーや演奏に陶酔しきっている。しかし現実には、いつも茫然自失するほどの感動が得られるとは限らない。「この曲を聴くと魂は恍惚の彼方・・・」なんていう論評があっても鵜呑みにしてはいけない。同じような感動を追い求めて聴いてみても、期待はずれに終わるとがっかりだ。でも、ひとつ言えることは、人から言われなくても繰り返し聞いているうちに、だんだん心に染み入ってきて、あなた自身が感動の渦に身を投じることになるということだ。

Posted by e-ueda at 08:52

2005年04月30日

JAZZに親しむために - 人気のアルバムを聴く

いくら名盤でもいきなりジョン・コルトレーンやマイルス・デイビスを聴いたら、JAZZに親しむのは難しいかもしれない。ここは素直に、多くの人に愛されている人気のアルバムや、入門盤としてよく薦められるアルバムを聴くほうがよいだろう。次のようなものがおすすめである。

ザ・サイドワインダー / リー・モーガン (ファンキーでノリがいい)
ページ・ワン / ジョー・ヘンダーソン (哀愁漂う名曲と名演)
ブルース・エット / カーティス・フラー (あたたかな演奏で親しみやすい)
クール・ストラッティン / ソニー・クラーク (文字通りクールな曲揃い)

入門にもってこいといってもレベルは高く、JAZZファンならだれもが夢中になったものばかりだ。

Posted by e-ueda at 15:54

2005年04月13日

JAZZの面白さ

理屈っぽくJAZZを語る人がいる。自分もそうだ。理屈ぬきで楽しんでいるというのに、それを語り始めると何故か評論家みたいになる。しかも人によって言うことがまるで違う。こうさせるJAZZとは何か、何が楽しいのか、e-ueda が今まで聴いたおすすめアルバムは・・・。そんなこともこのブログで書いていこうと思う。

車通勤でJAZZを聴き、脳味噌直撃の快楽にしびれきっているので、語らずにはいられなくなった。

Posted by e-ueda at 23:48