2006年09月11日

フライ・ウィズ・ザ・ウィンド / マッコイ・タイナー

新しいスピーカーを試すにあたり、選んだのはマッコイ・タイナーの「フライ・ウィズ・ザ・ウィンド」だ。1曲目「Fly With The Wind」からぶっ飛ぶこと請け合いの壮絶アンド痛快なサウンドが吹き荒れる。とにかく、これほど壮絶で美しい音楽は他に知らない。

マッコイのピアノは鍵盤88鍵を全部使い切っているのではないかと感じさせるほど、縦横無尽に弾きまくる。ビリー・コブハムのドラムは千手観音の異名をとるほどの手数の多さだが、千手観音でもこんなに打てまい。シーケンサーに無理やり三十二部音符を打ち込んで鳴らしているような状態だ。人の仕業とは思えない。

さらにヒューバート・ローズのフルートがまた美しい。流れるようなアドリブが、鬼気迫るアルバムの中で清涼剤のような役目を果たす。この面子でも存在感を失わないロン・カーターのベースも注目できる。ウッドベースとエレクトリックベースを使い分けながら、各曲を支えている。
それほど大編成ではないと思うが、ストリングスが効果的に全体を包み、盛り上げている。

2曲目「Salvadore de Samba」がスリリングに続く。ローズのフルートがあらためてフィーチャーされている。ドラムとベースの掛け合いも楽しめる。
3曲目「Beyond The Sun」はゆったりした流れの曲。オーボエやハープまでがマッコイの音楽を引き立てている。続く「You Stepped Out Of A Dream」はエキゾチックでスケールの大きさの中にも切なさを感じる曲だ。最後の「Rolem」まで、マッコイのピアノは疲れることを知らない。

さて、新しいスピーカーは、このアルバムの感動を素晴らしい音で伝えてくれた。他に何も聞こえないほどの大音量で楽しめる。何も言うことはない。このアルバムを聴いてあらためて涙がこみ上げてきた。

Fly with the Wind / McCoy Tyner
1. Fly With the Wind
2. Salvadore de Samba
3. Beyond the Sun
4. You Stepped Out of a Dream
5. Rolem
(1976)

Posted by e-ueda at 2006年09月11日 22:13