2005年11月16日

ティン・ティン・デオ / ケニー・バレル

ハングリーな状況を乗り切ることは、当座は辛いが、よい結果をもたらすことが多々ある。e-uedaが中学生の頃は、お小遣いはごくわずかだった。中古レコード屋に足繁く通うようになったのは、必然である。そこで買った廉価なLPレコードには、当たりもあればハズレもあった。もっとお金があればなぁとも思ったが、少ないお小遣いをやりくりしながら、隠れた名盤を探すうち耳が肥えたのも、ハングリーな状況がもたらしたよい結果と言えるだろう。

さて、今回ご紹介するケニー・バレルの「ティン・ティン・デオ」だが、中学時代、中古レコード屋で発掘した大当たりの名盤である。いつの間にか、「ストールン・モーメンツ」という二枚組のアルバムとして再発売されていたので、早速入手した。

20年ぶりに聴く1曲目の「Tin Tin Deo」の出だしに触れただけで、懐かしさが込み上げる。これだよ、これ!そういえば、夢中になって聴いたよな。ラテンリズムの名曲であるはずが、完全にクールなバレル節に変身している。「Old Folks」や「If You Could See Me Now」も、センチメンタルな少年には分かりやすいバラードだったが、今となっては「The Common Ground」に代表されるブルースの方が味わいがあるなと感じるのも、時を重ねたゆえの感性の変化であろう。

アルバムの出来としては、超メジャーな「ミッドナイト・ブルー」と比べても遜色ない仕上がりになっている。「ミッドナイト・ブルー」は非常に抑えのきいた渋味であるが、それに対してこのアルバムは、トリオ編成でシンプル且つバレルのギターが前面に出てきているので、聞き比べれば、こちらに軍配を上げる方も多いのではないだろうか。

合わせて入っていた「ムーン・アンド・サンド」というアルバムは、アコースティックギター中心の素朴なテイストであり、たいへん好感が持てた。これも愛聴盤の一つに加えられことになるだろう。

この2枚組みが1600円ほど。収入があり、JAZZのCDを買うには苦労しないようにはなったが、以前より安く買えるのは皮肉なものだ。せめて、好きなJAZZを自由に聴けることを感謝しつつ、今日も耳を傾けるとするか。

Tin Tin Deo / Kenny Burrell
1.Tin Tin Deo
2.Old Folks
3.Have You Met Miss Jones?
4.I Remember You
5.Common Ground
6.If You Could See Me Now
7.I Hadn't Anyone Till You
8.Petite Mambo
(1977)

Posted by e-ueda at 2005年11月16日 12:44