今日はあまりにも対照的な二人ギタリストのアルバムだ。
9. Idle Moment / Grant Green
グリーンは正直ギターがあんまり上手くないような気がする。前回紹介したタル・ファーロウの指の速さから言うと、グリーンはその半分にも満たないと思われる。でも、グリーンのアルバムは面白い。早弾きには価値を見出さず、コードもピアノ任せ。ひたすらシングルトーンで、おそらくはホーン感覚で演奏しているのだろう。しかし、その個性的なスタイルのアドリブが本当に楽しい。またアレンジでも聴き手を楽しませる術を心得ている。この人の前では、あまり理屈っぽくなってはいけないようだ。
10. Midnight Blue / Kenny Burrell
タイトルどおりの真夜中仕様。朝に聴いても、もう夜が来て一日が終わってしまったかのような錯覚に陥る。それほど黒く、ブルージーで、渋いアルバムだ。熱帯夜のような内に秘めた熱さが伝わってくるような曲もあれば、カーテンの隙間から入ってくるひんやりとした夜風のような曲もある。情感豊かなフレージングと巧みな和音、確かなテクニックと抑えのきいた演出は、他の追随を許さない。金曜日の帰り道などに聴くと、疲れと緊張から解かれて、いい週末が過ごせそうな気がしてくる。